なぜそうなるか

記念硬貨は額面どおりに使えるのか——財務省と日本銀行は「使える。ただし自販機では通らないことがある」と答えていました

引き出しの奥から、昔の記念硬貨が出てきたことはありませんか。

オリンピックや博覧会の年に発行されたもので、額面は硬貨によってまちまちです。

眺めているうちに、ふと「これ、お店で使えるのかな」と気になりました。

財務省のよくある質問と、日本銀行の「教えて!にちぎん」を開くと、どちらにも同じ問いが載っていました。答えの向きも同じです。

この記事でわかること
・記念硬貨は、通常の硬貨と同じように使える
・ただし自動販売機などでは使えないことがある
・硬貨で払えるのは、同じ種類につき1回20枚まで
・日本銀行の本支店と金融機関の窓口で、通常の硬貨に引き換えられる
・日本銀行での引換えは事前予約が求められている

記念硬貨は、お店で使えるの?

千円の記念硬貨、レジで千円として出していい?

使えます。財務省も日本銀行も、通常の硬貨と同じように使えると答えています。

財務省のよくある質問には「過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか。」という項目があります。答えの中心はこの文です。

記念貨幣は、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」において、貨幣として定められているため、全て通常の貨幣と同じように使用することができます。

記念硬貨は、法律の上ではふつうの「貨幣」の一種という扱いです。記念品として別枠に置かれているわけではありません。

日本銀行の「教えて!にちぎん」にも、ほぼ同じ問いが立っています。

記念貨幣も、通常の貨幣と同様に、使用することができます。

2つの答えの共通点
・記念硬貨は「貨幣」として法律に定められている
・通常の硬貨と同じように使える

それなら、どこでも使えるの?

ここに1つ、但し書きが付いています。

財務省と日本銀行の答えは、どちらも同じ理由を挙げていました。素材と大きさです。

ただし、記念貨幣は、いろいろな素材で作られていたり、大きさが異なったりするため、自動販売機などでは使えないことがあります。

これは日本銀行の文で、財務省の答えにも同じ一文があります。

券売機やセルフレジのように、機械が硬貨を読み取る場面では、形や重さの違う記念硬貨ははじかれることがある、という話です。

「法律の上では使える」と「機械が受け付ける」は、別の話として分かれていることになります。

では、手元の記念硬貨を使いたいとき、どうするのがよいのか。

財務省の答えは、その続きで銀行などの金融機関の窓口へ行くよう勧めていました。通常の硬貨に替えてから使ってほしい、という案内です。

「お手数ですが」という前置きまで付いていて、使う前にひと手間かけてほしい、という含みが読み取れます。

使用する場合には、お手数ですが、銀行などの金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えて下さい。

使えることと、使いやすいことは違う、という書き方ですね。

何枚まで、まとめて払えるの?

記念硬貨を30枚出して、まとめて支払ってもいい?

法律で通用が決まっているのは、同じ種類で20枚までです。

これは記念硬貨に限った話ではなく、硬貨全体の決まりです。財務省のよくある質問「お金には使用できる枚数の制限があるのですか。」の答えにこうあります。

一方、貨幣(いわゆる硬貨)は、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条で「額面価格の20倍まで」を限度として通用すると規定されています。つまり、20枚までは貨幣による支払いを行っても良いということです。

日本銀行の説明では、この20枚は「一種類の貨幣につき」数えるものだと書かれています。お札のほうは、日本銀行法で「無制限に通用する」とされています。

同じ財務省の答えには、こんな一文も添えられていました。

ただし、取引の相手方の了解が得られるならば、それを妨げるものではありません。

支払いに使える枚数
・お札:無制限(日本銀行法 第46条第2項)
・硬貨:同じ種類につき1回20枚まで(通貨法 第7条)
・20枚を超えても、相手が了解すれば払える

使わずに、ふつうの硬貨に替えたいときは?

引き換えられる場所
・日本銀行の本店とすべての支店
・銀行などの金融機関の窓口

日本銀行の「教えて!にちぎん」は、引換え先を2つ挙げています。

記念貨幣は、日本銀行や金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えることができます。

日本銀行の「損傷したお金の引換え窓口」のページでは、記念貨を「流通に不便なお金」の例に入れて、引換えの対象だと明記していました。

日本銀行で替える場合は、事前の予約が求められています。同じページの文です。

事前のご予約がないと、当日中に引換えを行えない場合がありますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

受付は月曜から金曜の9時から15時で、郵送による引換えは行っていないとも書かれています。

金融機関の窓口で替えるときの手数料や扱いについては、今回引いた財務省と日本銀行のページには書かれていませんでした。この記事ではそこには触れません。

この記事で確認したこと

記念硬貨の使い方と引換え
・記念硬貨は法律上の「貨幣」で、通常の硬貨と同じように使える
・素材や大きさが違うため、自動販売機などでは使えないことがある
・硬貨での支払いは、同じ種類につき1回20枚まで(相手の了解があれば超えても可)
・日本銀行の本支店と金融機関の窓口で、通常の硬貨に引き換えられる
・日本銀行での引換えは予約制で、郵送は受け付けていない

額面で使える、というところまでは国が答えを出しています。使う場所を選ぶ硬貨だ、と知っておけば足りそうです。

よくある質問

これから発行される記念硬貨は、どこで手に入りますか

財務省のよくある質問では、プレミアム貨幣・プルーフ貨幣は造幣局の販売、それ以外の記念貨幣は取扱金融機関の窓口で額面価格で引き換えられる、と答えています。引換要領は財務省から発表される、という案内です。

記念硬貨は、いつから発行されていますか

財務省の答えでは、昭和39年の「東京オリンピック記念千円銀貨幣」以降で、それより前のものはない、とされています。

記念硬貨は、どんなときに発行されるのですか

財務省の答えでは、根拠は通貨法の第5条第2項で、閣議で決めたうえで国の記念事業として出すもの、という位置づけです。皇室の御慶事や、オリンピック・万国博覧会のような国際的な行事が例に挙がっていました。

この整理が変わる条件


出典

お手元の記念硬貨を替えるときは、窓口の扱いを事前に確かめてからお出かけください。

当方が上の出典を引いて確かめた日:

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